コンクリートバックロードホーンのお客様にはスピーカーを大変高く評価していただいている。スピーカーの本領をさらに発揮するため、現在お使いのプリメインアンプ(国内ブランドの最上級機)からセパレートアンプへの変更を検討することになった。
検討の結果、Accuphase C-3900 と A-75 を試聴することに。まずは実機を持ち込んで試聴を行った。
まずは現状のモデルで聴く。相変わらずのハイスピードサウンド。フルレンジならではの軽快な音が中高音だけでなく、最低音に至るまで同様のスピード感で飛び出してくる。その上量感も十分。ど迫力の壮絶サウンドの凄まじさは相変わらずだ。
一通り試聴した後、アンプを暖めておいた C-3900 と A-75 に変更する。最初の1〜2秒で奥行き感や音の潤いの違いがはっきりとわかる。大太鼓のソースでは音量を上げていくとこれまで僅かに感じられていた歪感というか妙な響きというかそうした雑味が全く感じられない。ボリュームを上げてもうるさくならず、音圧だけがスーッと上昇していく。
ライブな部屋の影響と思われていた若干の滲みが消え、巨大なホーンを備えたスピーカーが完全にアンプの動作の支配下に入った感覚だ。アンプの違いが「これでもか」というくらいに明確に現れてくる。
次々にかけるソースもこれまでにこのシステムでは聴いたことがないような立体感と潤いだ。相変わらずの全ての帯域に通じるスピード感、そして低音の量感。一段階も二段階も質が上がったようなイメージだ。
この組み合わせでの導入が決定し、試聴の数日後納品に伺う。
試聴に用いた個体がすでに一定のエージングが済んだものであったのに対し、納品されたものは当然新品だ。設置後すぐに鳴った音にはまだ硬さが残っており、試聴した時とは少し違う。設置後数時間もすると徐々に音もほぐれてきたが、試聴した時の感じまではいかない。これからの変化に期待しつつ納品に伴う訪問は終了した。
納品以降、良い意味で予想を裏切り続けてくれている床下コンクリートバックロード。今後の進化も楽しみだ。
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