モノラル再生への憧れ勃発

 とあるバーでモノラル再生の音を聴いた。モノラルのアナログ音源がメインではあったが、ステレオ音源のものもあったと思う。使っているカートリッジがモノラルなので、出てきている音は全てモノラルだ。

 マスターのこだわりで、このバーのシステムは基本的にはモノラルで鳴らされる。スピーカーは2台。ステレオで聴いても問題ない位置に設置されている。私はたまたま2本のスピーカーの中央、正面のカウンター席に座っていたので、ステレオだとするとベストなポジションで聴いていたわけだが、当然、頭を大きく左右に振っても大きな音場の崩れはない。

 ミュージックバーの性質上、全ての人がセンターポジションで聴くことはできない。それならば、ステレオ再生にこだわることはないというのがモノラル再生をしている要因の一つだそうだ。しかし、最も大きな要因はそこではない。そもそもモノラル音源で得られる力強さ、押し出し感など、モノラル音源だからこそ得られる魅力があるということがもっとも重視していることのようだった。

 確かに、普段ステレオ再生で聴いている音源をこちらのモノラルのシステム(音源もモノラルである)で聴くと、普段よりも力強く、心に訴えかけてくるような、そんな印象を持った。もちろん普段聴いているシステムとは違うので、正確な比較はできないのだが。

 私自身もいくつかのモノラル音源を持っているが、普段はステレオのカートリッジによる再生だ。しかし、こんな再生音を聴いてしまうと、一気にモノラル再生への興味度が増してくる。マスターによれば、ステレオ盤でもモノラル再生してしまうとのこと。私もモノラルカートリッジの導入を検討したことはあったのだが、所有量がわずかしかないモノラル盤のためにそれなりに高価なカートリッジを購入するのはどうかと躊躇していたのだ。しかしこれを聴いてしまうとそんな躊躇はもはや「不要」という気持ちになる。

“Groovy”, Red Garland Trio はモノ針で聴いてみたい一枚

 導入するとすれば2階のサブシステムへの導入ということになる。(ホームスタジオはユニバーサルコネクターがないので、カートリッジ交換を楽しむ用途に適していない。)現在は 8cm(Fostex FE83NV2) フルレンジのダブルバスレフによる再生だが、それなりに力強い音を出している。とはいえ所詮は 8cm フルレンジ。力強さを本懐とする(らしき)モノラル再生にするのなら、もう少し大きな口径で余裕をもって再生したい。ダルダルの低音では意味がない。バシっと引き締まった低音を力強く再生したい。

 とは言えまずはモノラル再生だ。早急にカートリッジを入手して、あの世界を自宅でも堪能してみたい。


 この記事を書いて推敲などしている間に、既にモノラルカートリッジが導入された。確かにそれらしき雰囲気はあるのだが、やはりスピーカーを変えたい。まずは、もともとの QLN601(16cm 2way)に戻してみよう。

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