長岡モデルを蘇らせる/懐かしむ/アレンジする

長岡鉄男氏のスピーカーに関する問い合わせを定期的に頂戴します。そこでご質問に素早く答えられるように、手元資料として長岡氏が設計したモデルの情報を整理しました。いくつかの本には「全リスト」が掲載されているのですが、誤りや漏れが結構多く、可能な範囲で所有する書籍を確認してリストを再構成しました。それでもまだ誤りはあるかもしれませんが、少なくとも漏れは無さそうです。

資料の一部

同時にこれまでにお受けしたお問い合わせの記録を整理したところ、問い合わせの多いモデルランキングは次のようになりました。

 1位  D-55  
 2位  D-37  
 3位  D-58  
 3位  D-101S  
 5位  D-168  

見事に D (バックロードホーン)が上位を独占。人気モデルは何度も繰り返しメディアに掲載されますし、ネット上での露出も多いのでお問合せも多くなります。

没後22年。当時とはアマチュアができることもだいぶ変わりました。氏の手法が必ずしも現代のアプローチと合致しなくなっている部分も多いかもしれませんが、今でも十分な実用性を備えているモデルもありますし、考え方は現代でも十分通用することが多いです。

今は使用されているユニットがほとんどモデルチェンジしてしまっているので、そのまま完全再現することはできないものばかりです。「FE103」 となっているところを 「FE103NV2」 で作っても当時意図されていたものとは違うと思います。中古品で当時のユニットを入手できたとしても経年変化による違いはモデルチェンジ以上のものがあるかもしれません。手を加えて修理したとしても同じです。もちろん概ね近いものは出来上がりますので、当時のモデルの雰囲気を楽しむことはできるでしょうから、それはそれで意味があると思います。そんな思いから、「当時のモデルを現代に蘇らせたい」「昔の音をもう一度聴いてみたい」あるいは「氏の考え方を踏襲しつつ、現代風にアレンジしたい」など、お考えのお客様はお問合せください。実現するお手伝いをさせていただきます。

今、こうした長岡スピーカーの中から、簡単でコスパもよく、現代のユニットで作っても良い結果が得られそうなモデルをピックアップ中です。いずれはそのようなモデルを解説し、実際に作って紹介することもやってみたいと思います。

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