こんなスピーカーなら見たことある(1)  フルレンジ派が2wayに挑戦する第一歩[XP125-17]

XP125-17

フルレンジ派が2wayに挑戦する第一歩

アマチュアによる自作スピーカーでも高度な情報を駆使して設計できる時代だが、ベテランの人たちの中には得られる情報が限られた頃にフルレンジで自作をスタートした人も多い。そのままフルレンジの音に慣れると、マルチウェイの、特にウーハーが持つ特有の音に耳が慣れないこともある。その一方で、ネットなどでは色々な情報を目にする。「2wayの方が良いのかも」と考え始めたフルレンジ派の人も多くいそうだ。そんな方に向けて、フルレンジの要素も残しつつ、ツィーターをアドオン接続するのではない「普通の2way」として使ってみようとしたのがXP125-17だ。
フルレンジはバスレフ向きに特化してバランスの良いFostex FFシリーズの FF125WK、ツィーターはフルレンジとも組み合わせやすい同社のFT17Hを使う。FT17Hはアドオン接続でも使えるが、あえてフルレンジ側にもローパスフィルターを入れる。気に入らなければ簡単にフルレンジ+アドオンツィーターに改造できる。
高域をツィーターで再生するのがポイントなので、フルレンジの高域はバッサリ切る。とは言ってもFT17Hはあまり下まで使えない。ネットワークはFF125WKが約6.3kHz、-18dB/oct。FT17Hは10kHz、-12dB/octとしアッテネーターで4dBほど落とす。これでクロスポイントは概ね8kHzあたりになる。
FF125WKは軸上では7kHzにピークがあるが、軸からそれるとそのピークは急激に落ちる。セッティングの内振り角度によってリスニングポジションにおけるクロスポイントや聴こえ方は大幅に変わりそうだ。
アドオンツィーターにする場合にはFT17Hにだけ0.33〜1.0μFを好みで入れれば良い。その他の素子は全て取り外す。
エンクロージャーはウーハーっぽさも出すために大きめにとって、およそ13.6L、ダクトはFostex P49Pを9.5cmにカットして使い、Fb56Hz。P49Pはそのまま切らずに使っても問題ない。そのまま使うと65Hz付近で約1dBの音圧低下、低域方向のレンジは約3Hzの低下で、セッティングによる影響の方が大きいだろう。

主要材料
  • 使用ユニット・・・フォステクスFF125WK(×2), フォステクス FT17H(×2)
  • 合板(定尺3×6)・・・ 1枚(15mm厚)
  • コンデンサー・・・1.0μF(×2), 4.7μF(×2)
  • コイル・・・0.25mH(×2), 0.3mH(×2), 0.1mH(×2)
  • 抵抗・・・3Ω(×2), 12Ω(×2)
  • その他・・・ターミナル, 配線材, 吸音材, 接着剤, 六角穴付きボタンボルト M4×L25(×16), 鬼目ナットB M4(×16)

*図面については細心の注意を払って作成していますが、完全に誤りがないとは申し上げられません。実際に製作される際には十分ご確認の上、自己責任にてお願いします。ただし、できる限りのサポートはしますので、ご連絡をいただけますと幸いです。
*本作品は設計のみで、未製作です。
*本作品は一般の方が製作することを前提にしています。弊社で特注製作する場合は一部設計を変更します。
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