アイデアを、音にする

オーダーメイドの仕事には、幅広いグラデーションがあります。設計のすべてを任されるケースから、お客様の図面をそのまま形にするケースまで——その間にある無数のパターンに、柔軟に対応しています。

お客様のアイデアとつくり手の技術

リピーターのお客様とのプロジェクトでは、漠然としたイメージだけをいただき、音作りのコンセプト設定から外観デザインまでをこちらで担うこともあります。一方で、そのまま製作に入れるレベルの完璧な図面をご提示いただけることも。そのような場合は、必要に応じた助言にとどめ、お客様のビジョンを忠実に具現化することを最優先とします。

店舗向けオリジナルスピーカー

近年とくに増えているのが、店舗向けのオリジナルスピーカーの製作です。依頼主は店舗デザイナーであり、その先にオーナーというもうひとりのお客様がいるという構図です。

外観はデザイナーの細かい指示に従い、音はオーナーの好みに合わせる——このバランスを取ることが、ひとつのチャレンジです。縦横の寸法比やスピーカーユニットの位置といった要素も、デザイナーの審美眼によって決まることがあります。音響的には多少の制約が生じますが、店舗空間においては、リスナーが定位置で聴くことはほとんどありません。それよりも、空間全体になじむ音と見た目のバランスが重要です。

設計段階では「これで大丈夫か」と感じることもありますが、実際に設置されると空間と見事に調和する——プロのデザイン力の凄みを、毎回実感しています。

製作事例

高剛性エンクロージャー

こちらは、お客様の詳細な図面をもとに製作した密閉型エンクロージャーです。フィンランドバーチ合板を使用し、内部を角材で徹底的に補強した特殊構造。いくつかの点でアドバイスは差し上げましたが、基本設計はお客様によるものです。

完成したスピーカーは、上流機器の音を鮮度高く再生し、全帯域にわたる高い解像度と、深みのある低音を実現しました。自分だけのアイデアでは辿り着けなかった領域を見せていただいた、学びの多いプロジェクトです。

ユニットはビンテージの名器、多摩音響研究所 L-16B /グリルはマグネット着脱式

空間の調度品と調和するスピーカー

実際に設置されたスピーカー / 空間に見事に調和(写真:LENOX HOUSE プレスリリース)

こちらはイタリアンレストランへの納入事例です。サイズ感とユニット構成のイメージ、仕上げの方向性をご提示いただいた上で、ユニット選定と音響設計を弊社で担当しました。弊社スタジオでの試聴時はごく普通の見た目でしたが、現場に設置された瞬間、周囲の調度品と絶妙にマッチし、思わず声が出ました。内装や家具の細部までこだわり抜かれた空間に、音質もデザインも違和感なく溶け込む一台となっています。

スタジオでの調整時のスピーカー

大型・小型システムで空間の響きを演出

800mm四方に18インチウーハーという大型モデル/ 7人がかりで持ち上げました

立川にオープンしたアイランドスタイルダイナー、THE PACIFIC ROOM では、キッチン上の大型メインスピーカーと、フロア奥・天井付近の小型スピーカーの2モデルを担当しました。大型スピーカーは、ダイナミックな植栽の中に据えられ、広い空間を高品質な音で満たします。残響の長い空間ゆえ、いわゆるハイファイとは異なりますが、その「響き」がおしゃれな大空間の雰囲気づくりに一役買っています。

奥の空間には大型スピーカーと同一デザインの小型フルレンジシステム。計算外の「影」も、空間に良い表情をもたらしています。

ご相談ください

エクスペリエンス・スピーカー・ファクトリーでは、音響的なアイデアから純粋なデザイン上のアイデアまで、さまざまなご要望に対応しています。どのような形でのサポートが最適かを都度判断しながら、お客様のビジョンを形にするお手伝いをしています。

ご要望やイメージがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。