FOSTEX「かんすぴ」のリフォーム

FOSTEX(フォステクス) P1000-E  +  FF105WK を搭載したシステム導入のご依頼がありました。お部屋の雰囲気がダーク調ということで、お部屋に合わせたエンクロージャーのリフォームのご依頼も同時にいただきました。

「かんすぴ」はスピーカークラフトの入門商品。買ったそのままの状態にスピーカーユニットを取り付けるだけでももちろん音楽は楽しめるのですが、自分なりのアレンジを加えるというのが「スピーカークラフト」の本分。

ということで、今回のリフォームの手順をご紹介。皆さんがリフォームする際の参考にしていただければと思います。

とは言っても、今回はかんすぴのエンクロージャー(箱)の外側のシートをはがして、他のシートを貼り付けるというごく単純な作業となります。


かんすぴとスピーカーユニット以外の材料は壁紙だけ。お好みの色・柄をチョイスしてください。

まずは材料の準備です。箱の大きさに合わせて少し大きめ(実際の大きさプラス3cm以上くらい)にカットします。

今回は天地・左右をぐるっと一周貼り付け、正面(バッフル面)を最後に貼り付けるというオーソドックスな貼り方です。

方向性のある柄を使う場合はあらかじめそれも考慮してカットしておきます。


切れ目を探して、そこからカッターなどで少しだけめくり上げます。

まずは貼ってあるシートをはがします。シートをはがさずにそのまま上に貼り付けても良いのですが、今回ははがしてから改めて新しいシートを貼ることにしました。


少しだけめくり上げたところを指で引っ張ります。


あとはどんどんはがしていくだけ。



結構力が必要なところもあります。


ざっとヤスリがけ。シートの密着度をあげるためにはやった方がベター。


サンダーで出た木の粉はよく拭き取っておきます。

すべての面をはがし終えたら、軽くサンダーで素材の毛羽立ちを取り除きます。やらなくても良いかもしれませんが、やっておいた方がシートを貼った時に密着度が上がります。サンダーをかけた場合は木の粉も拭き取っておきます。元のシートの上から貼り付ける場合はここまでの作業を省略できるので大幅に作業工程を簡略化できます。


底の面から貼っていきます。

下地が整ったらついに貼り始めます。貼り始めの面はどこに継目を持ってくるのかで決まります。頭の中で貼り終わった状態をイメージしてから貼り始めましょう。

材料の準備段階でカットしたときに、ある程度幅には余裕を持っておく必要があります。そうしないと貼っていくうちに幅方向の寸法が足りなくなってしまいます。シートの節約のためにギリギリでカットした場合は貼る角度に十分注意した上で貼り始めます。
はみ出したシートは箱に沿ってカッターで切り落とします。一度に切ってしまおうとせず、カッターの刃を軽くスライドさせながら、何回かに分けて切るつもりでやるのが上手くカットする秘訣です。


最後に前面(バッフル面)を貼り、開口部分をカット

最後に前面を貼り、スピーカーユニットやバスレフポートの穴を丁寧にカット。これで箱(エンクロージャー)は完成です。

より高級感を出すのであれば、「突き板」という天然木をシート状にしたものもあります。この場合、折り曲げてしまうと割れてしまいます。突き板の場合は一面ずつ貼っていくことになります。

あとは通常の「かんすぴ」と同じ方法でスピーカーユニットを取り付けて完成。スピーカーユニットの取り付けは、傾いたり、中心からずれたりしないように、定規などを使って採寸しながら丁寧に位置決めをします。

元のかんすぴとはテイストの全く異なるスピーカーが出来上がりました。今回はダーク系の柄を選んだので、FF105WK の振動板の色との組み合わせがなかなかいい感じにマッチしました。