エンクロージャーのサイズ
(荒谷)では次にエンクロージャーの話も聞かせて下さい。取扱説明書をみると FW168HR の推奨は15リッターになっていますね?
(乙訓)15リッターはかなりコンパクトです。例えばこれの倍の30リッターでは大きくなるばかりでメリットは少ないです。16cm(ロクハン)は車で言えば、小さいシャーシに強力なエンジンをつけられるというメリットもあるんですね。小さくしてもロクハンだとある程度低音がでますから。逆に 20cm にするとどんなに小さくしてもエンクロージャーは結構大きいですからね。あとは3ウェイにしたくなってしまいます。
(荒谷)25mmのハードドームを前提とするとそうなりますよね。フォステクスのラインアップだと FW208HS というユニットがあって2ウェイにも使えるようになっているのですが FT48D というツィーターとの組み合わせが推奨されています。あれは30mmですか?
(乙訓)30mmですね。
(荒谷)かなり大きいですね。あの大きさだから 20cm との 2way ができるということですね? ソフトドームですし。
(乙訓)そうですね。
(荒谷)FW208HS にフォステクスのハードドームを繋げようとすると難しいですか?
(乙訓)音圧軸でなくて音質軸だとそうですね。音圧軸だけでいけば 25cm でもいけてしまいます。まったく専門外の高域まで担当しているウーハーと、いつ壊れるかもわからないような低域まで担当しているツィーターでの組み合わせということになってしまいます。
(荒谷)今回はエンクロージャーもだいたい15リッターくらいのサイズ感になりそうなイメージですか?
(乙訓)そうですね。
フロントダクトか? リアダクトか?
(乙訓)ダクトの前後はみなさんも、私自身も気になるところです。実は今実験用に試作している箱は前にも後ろにもダクトが付いています。
(荒谷)エンクロージャーがテーマの回では同じエンクロージャーでダクトが前のときと後ろの時で聴き比べできるということですね?
(乙訓)そうですね。
(荒谷)最近の G シリーズとか GX シリーズはリアダクトが多いですよね?
(乙訓)前にドーンと低音を出すのではなくてスピーカーを中心に音場をつくろうという目的に合致しているからですね。これもどちらが良いということではなくて目的とか好みの問題です。モニタースピーカーであれば通常はフロントダクトだと思います。今回は音楽鑑賞用なので。
エンクロージャー材料
(荒谷)エンクロージャーの板材はどうですか?
(乙訓)まぁ使った板の音になりますね。
(荒谷)G シリーズなんかは複数の種類の板材を使っていますよね。今回はどうしますか?
(乙訓)最初は一つの板材で厚みだけを変えてやってみます。もう試作はし始めています。
(荒谷)その板材は何ですか?
(乙訓)普通のシナ合板です。そこからどういう方向に行くかということですね。